Vol. 113 祭り 

 1か月にわたる京都の祇園祭では、山鉾と呼ばれる豪華な山車が繰り出される山鉾巡行がある。7月17日の山鉾巡行を前祭り(さきまつり)、24日を後祭り(あとまつり)という。本日行われるのは、後祭り。

 もともと「祭」の漢字は、月→肉、手→又、神→示、の3つのパーツからできていて、当時、貴重だったいけにえの肉を手にとり、神にささげまつることを表す。

 祭りの起源は、古事記にも「天の岩戸隠れ」という神話に記されている。その中で、太陽神である天照大神が岩戸の中に隠れてしまい、外に招きだすために、八百万の神々が岩戸の前で、どんちゃん騒ぎ。それに誘われ、天照大神が出てきた。このどんちゃん騒ぎが祭りの始まりとか。

 祭の語源とされるのは、神意・お告げの意味の「まち」という言葉。その「まち」を伝える人のことを御言持(みこともち)、その言葉を伝えることを「まつる」と言っていた。「まつる」ことで大地の恵みを頂き、一年の繁栄をもたらすことを「政(まつりごと)」、そして、その報告を神様に行うことを「祭」。

  泡立てて祭りをひとつ拵える  内田真理子