うかうかとめくる真昼のプログラム 八木千代
つい、うかうかと。
真昼のプログラムなるをめくった
その瞬間から、
本人をヒロインとした
もう一つのドラマが同時進行していくような
句の二重構造がスリリングです。
作者の八木千代さんは大正13年生まれの97歳。
川柳塔の同人でありつつ、
結社や世代をこえて注目され続けている人気作家。
そんな八木千代さんの自選百句を収載した『椿野』が
このほど川柳塔のサイトで電子化公開されました。
1980年ごろに作られた豆本という体裁の貴重な本。
鬼たちも人間ごっこして遊ぶ
川上の霧は晴れたという噂
落椿 天は拍手をしてくれる
そしてもう1作。
『椿野』には掲載されていないのですが
八木千代さんの代表作で
この季節になると
ことにも愛誦したくなるお気に入りの句です。
まだ言えないが蛍の宿はつきとめた
「川柳塔」はこちらから
(『椿野』八木千代/私家版)
※「芳賀博子の川柳模様」で連載している「はがろぐ」を
こちらでもご覧いただけるようになりました。
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