「王」は、古代中国、支配の象徴として用いられた鉞(まさかり)の象形から「きみ・おう」を意味する「王」という漢字が成立した。
「まさかり」は刃渡りが広く大きい斧なことから、「大きく広がっている様子」を表している。古代中国では、まさかりのような大きな武器は国を治める人(権力者)であったり、権力者を守る軍隊しか持てないものであった。まさかりを振り回し敵をなぎ倒していくもので、軍事力と権力の象徴であった。
軍事力と権力の象徴であったまさかりが時を経て、権力の象徴として装飾され、王座に置かれた。まさかりを装飾することは、経済力を誇示している。
「王」の字には、まさかりからできた成り立ちとは別に、三本の横線がそれぞれ、「天・地・人」を指しており、その三つを突き通す縦の線(三つを束ねている存在)が王であるという意味もある。
風祷や夢追い坂を草の王 杉山夕祈