Vol. 218 パテ

「パテ」は、フランス語でパイ生地を意味するパート(pate)からきている。

さらに、「パテ」の語源はラテン語の「pasta」であり、これはペーストを意味する。イタリアのパスタの語源でもある。

パテは、具を生地(パート)で包んでいるもので、詰める具材として、一般的なものは肉をペースト状にしたもの、あるいは刻んだもの。

パテに似ているものに「テリーヌ」があるが、こちらは、ベースはパテとほぼ同じだが、生地で包むのではなく、型に詰める点がポイント。テリーヌ型といわれる金属製、陶製、磁器製の型に詰める。

パテもテリーヌも型に入れて固めたものをスライスして出すという点で同じだが、テリーヌのほうが生地で包んで焼かない分だけ手間がかからず広まりやすかったのかもしれない。

今は単にパテというと、たいていテリーヌのことを指し、本来のパイ包みスタイルは「パテ・アンクルート」と呼んで区別しているケースが多い。

 中心が欠けた世界をパテで埋め 下野みかも