Vol. 244 大阪

古く「大阪」は「大坂」と表記されていた。確認できるいちばん古い例は、室町時代に蓮如上人が書いた『御文章(手紙)』に出てくる「摂州東成郡生玉之庄内大坂」という記述で、今の大阪城あたりを指していると考えられている。

当時は「大坂」を「オオザカ」と読むことが多かったようだが、明治元年に表記が現在の「大阪」に改められ、読み方も「オオサカ」として定着した。

「坂」が「阪」に変わった理由については諸説ある。「坂」という字が「土に返る=死」を連想させるから避けられたという説や、役人の書き間違いが広まったという説、また明治新政府が「坂」を「士が反する(武士の反乱)」と読めるのを嫌った、という説も伝えられている。

「大阪」という地名は、もともと「大坂」と書かれていたことから、坂のある地形に由来すると考えられている。ただし、戦国時代より前には「小坂」や「尾坂」といった表記も見られるため、単に「大きな坂」という意味ではなさそうで、「オ(オホ)」は強調のための接頭語で、「サカ」は傾斜地を指す言葉だった、という見方が有力とされている。

 冬の二階は大阪よりも遠い 畑山美幸