Vol. 10 QRコード

 つい最近まで、バーコードとQRコードのちがいがわからなかった。縦線の入っているのがバーコード、真四角にまだら模様がQRコード。ちがいに気づいたのは、テレビ画面や雑誌、レシートにまでQRコードが目につくようになったから。

 QRはQuick Responseの頭文字で、「高速読み取り」を目的としている。20年以上前に、日本の自動車部品メーカーが発明した。製造工場の現場で部品をバーコードで管理していたが、作業効率が悪く、現場からより多くの情報を盛り込めるコードを作ってほしいという要望から、開発されたそうだ。

 開発者は囲碁をヒントに、情報量の多いコードを開発。確かにQRコードのまだら模様は、碁石が並べられた囲碁盤に似ている。スーパーのレジ等で使われているバーコードは、専用の読み取り機がないと読み取れないが、QRコードは、スマートフォンのカメラで読みとることができる。

 QRコードの容量は、英数では約4300字、漢字・かなでは1800字。QRコードを個人で簡単に作れるソフトもあるそうで、そう言えば、名刺にQRコードがあるものも多い。スマホをQRコードにかざして、すばやくスキャンさせることのできない私は、いまだにあまり便利さを感じていないのだが。

  QRコードの向こうでも驟雨    青砥和子

  合せ鏡で見る背中のバーコード  丸山 進