今日の一句 #504

海亀が、解・体・さ・れ・て・い・く「世界」  千春



今週8月22日、「ゆに」で
オンラインイベント「第1回ゆにゼミ」を開催した。


ことばのさまざまなジャンルから講師をお招きして
お話を伺う「ゆにゼミ」は、
Zoomで講座+句会、の

ちょっと欲ばりな2部仕立て。

今回、第1部では、
読売テレビ報道局専任部長・道浦俊彦さんの
「時代とことば」をテーマとした講演、
第2部の句会では、

事前投句で寄せられた秀句の数々を
全国各地から参加のみなさんと楽しんだ。


さて本作は、その句会で
選者・山崎夫美子と芳賀博子がともに
入選にいただいた句。
題は「変わる」。


山崎さんは、選評の中で
実際に海亀を食する文化にふれ

私は、この海亀を
地球環境の危機にさらされる
生き物の象徴のようにも感じたと述べた。


が、二人の目を瞬時に引き付けたのは
なんといってもこの表記だ。
「解体されてゆく」を、
さらに一字一字「・」で区切って
解体の過程を
視覚的にもドラマチックに訴える。
さらに、おしまいにおかれた世界という一語には
まるで危機から守るように

カギカッコが付けられている。
と、思うと、この小さな記号が

まさに私たちが生きるこの世界の
大切な最後の砦のようにも見えてくる。


ところで、当日は披講の際、
Zoomの画面共有で、
入選句を一句ずつ、画面に出し、
みなさんに耳でも目でも
味わっていただいた。
以下、今回の入選句です。


【変わる】

◆山崎夫美子 選

貼り紙がやがて景色に変わってく   小原由佳
黒コロナ白オリンピック夏オセロ   森平洋子
海亀が、解・体・さ・れ・て・い・く「世界」  千春
猫だったかしら ふいにいなくなり   伊藤こうか
痛いとこ転々とする金平糖       妙


特選
私まだ飛び出す絵本にもなれる    藤田めぐみ


◆芳賀博子 選

生まれ変わっても道頓堀の蝉               岡谷 樹
窓側をゲット海の子にもどる      弘津秋の子
命日やお弁当箱変える朝         朝倉晴美
解釈が変わって好かれ始めてる      小原由佳
海亀が、解・体・さ・れ・て・い・く「世界」  千春


特選
ハーレーを降りいにしえのレース編む
 北川清子







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