今日の一句 #773

夢かしら草かんむりになっている
柴田美都


ふんわりと「夢かしら」。
ふわりとこちらも夢心地へ誘われる。


続いて「草かんむりになっている」。
はて、いったい誰が。何が。


でもやはり私は、主体その人のように感じられる。


草ならぬ「草かんむり」という発想の飛躍と詩趣が魅力。
草かんむりの字をいくつか思い浮かべると、
花、葉、芽、菜、苔、茶、
さらに若、薬なども。


いろいろにそっと覆いかぶさり
いのちを吹き込んでいくような草かんむり。


ただ、今はまだ意味になる前の文字のかけらのままに、
夢はうっとりと続いてゆく。


(「川柳葦群」第79号 2026年10月)

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