踝(くるぶし)は古くは「つぶぶし」といわれており、小さくて丸いものを指す「粒(つぶ)」と植物の幹や茎にある膨れ上がった部分を指す「節(ふし)」に由来するとされている。
室町時代から「くるぶし」となり、江戸時代には庶民の口語として「くろぶし」「くろぼし」ともいわれた。その丸みが「粒」とは言い難いため、「つぶぶし」の「つぶ」が「くる」に変わったと考えられる。
「くる」は物が軽やかに回るさまの「くるくる」や、「くるま(車)」などの「くる」と同じ。
踝の漢字は、足+木の実(くるみ)を表す「果」から成り立ち、くるぶしを足にある木の実に見立てている。
解剖学では内側にある踝を内果、外側にある踝を外果とも言い、2つは同じ高さではなく、内果は外果より高い。踝の構造上、足首は内反しやすく、足首の捻挫は内反方向がほとんど。
踝のくまなく晴れわたる五月 瀧村小奈生