去年の私ではないハイビスカス咲いた
時実新子
去年の私ではない、私。
そんなシン私を体現するようなハイビスカスだ。
華やかな熱帯花は、きっと
これまでの自分とは対極にあるようなイメージなんだろう。
一方、このいささか唐突なハイビスカスや、
「ない」「咲いた」のきっぱりとした言い切りは、
むしろ反語のように、
まだ吹っ切れない主人公の屈託を物語ってもいるよう。
それでも前を向く、向こうとしているのか。
ここで少し作者に寄せた読みをすると、
実際、時実新子作品にハイビスカスが登場するのは
極めて珍しい。
たとえば『時実新子全句集 1955~1998』(大功社 1999)に
薔薇や椿が詠まれた作品はそれこそ40句、50句とあるのに
ハイビスカスはたった1句、
という意味でも、なかなかユニークな作品。
(句集『有夫恋』 時実新子/朝日新聞社 1987)
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「301では、俳句・短歌と他のジャンルを繋ぐ、
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(301のtwitterより)
↓
第58回 時実新子の川柳とその魅力(講師 芳賀博子)&川柳句会
日時:2023年8月27日(日)14時〜17時
場所:ビデオ会議ツール(zoom)による開催
第1部 「時実新子の川柳とその魅力」(講師 芳賀博子)
第2部 川柳句会
題「空(そら)」
「そら」をテーマにした川柳3句。事前投句。8月15日(火)締切。
参加費:2000円(ゆに会員1000円)
お申し込みは mail@301.news まで。
くわしくは こちら から。
ぜひ、ふるってご参加ください。
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