今日の一句 #698

犬と眼が合って履歴書書き直す
北野岸柳


巷には転職エージェントの広告があふれている。
先月は、入社直後に退職する新入社員たちが
ニュースになっていた。
あわせて退職代行サービスのことなども。
当方、就職氷河期世代としては
正直、この風潮をどう受け止めてよいのやら、
ではあるけれど、
時代の流れは止められない。


さて、今日の一句の出典は
北野岸柳氏の句集『男の紙芝居』で、

1983年(昭和58)発行。
だから当時の「履歴書」はもちろん紙だけれど
眼が合うシーンは今でもありそうで可笑しい。

はて、愛犬は眼で何を語ったんだろう。
「ちゃんと正直に書きなよ」なのか
「バカ正直に書くヤツがあるか」なのか。
いずれであれ、きっと書き直して正解だ。
どうやら苦戦中とお察しして
今度こそうまく運びますようにと
2025年からエール!

(句集『男の紙芝居』 北野岸柳/北の街社 1983)

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