Vol. 251 うっちゃり

大相撲の取組で、観客が最も沸き立つ瞬間のひとつが土俵際の逆転劇。中でも「うっちゃり」は、負け濃厚の体勢から一発逆転を狙う豪快な決まり手とされている。

土俵際まで寄せられた、または土俵際で吊り出されそうになった力士が腰を落とし体をひねって、相手力士を土俵の外へ投げるもの。

「うっちゃり」の漢字表記は「打っ棄り」。「打つ」は勢いよく動作を行うことを強調する接頭語であり、「棄(すて)る」は投げ捨てるという意味で、相手の体を不用のものを放るように、勢いよく投げ飛ばす様子が、由来となっている。

相撲は古代神事にまでルーツを持つ日本の伝統文化だが、「うっちゃり」が登場したのは江戸時代後期とされている。

うっちゃりは華があるが、実はかなりリスクのある技。土俵際で体をひねりながら反転するため、失敗すれば自分が落ちる危険性が高い。現代相撲では「寄り切り」や「押し出し」などの安定した決まり手を重視する力士が増えているそうだ。

 黄昏にとても見事なうっちゃりを 芝岡かんえもん
           ゆに「今月の会員作品」より