子供の頃、お絵描きで使っていたクレヨン。幼稚園か小学校の低学年頃まで使っていたと思うが、クレパスが登場したときも、ずっと「クレヨン」と言っていた。
クレパスを開発した会社が、今年創業100年を迎えた。クレパスはクレヨンとパステルの長所を合わせたもので、名前も両方からとって「クレパス」。日本発の洋画材料で、「クレパス」は商標登録の商品名。一般名称は「オイルパステル」である。クレヨンより柔らかく、伸びがいいので、面塗や厚塗りに向いている。
一方、クレヨンは折れにくいので、力の入れ方の加減がわからない幼児に向いているようだ。硬質なので線描画に適している。クレヨンの語源は、フランス語のcrayonで、白亜のcraieに、小片を意味する-onがついたもの。
当時のグリーンのパッケージや、クレヨンの匂い、クレパスよりちょっと固いあの感触、そして新しいクレヨンを使うときのあのワクワク感は覚えていても、夢中で描いていたはずの絵は、全く覚えていない。けれど、クレヨンの思い出はあたたかい。
クレヨンの線正しいと思います 和田洋子