「踊り(踊る)」の語源については諸説ある。「お」は「尾」を表し、「どる」は「とどろく」と関係するという説、あるいは「繰り返す」という意味をもつ古い語と結びつける説もある。はっきりした定説はないが、どの説にも共通して感じられるのは、身体の勢いや反復する動きである。
「おどり」の漢字には、「踊り」と「躍り」があり、普段、舞踏やダンスの意味では「踊り」を使う。一方、「躍り」は「躍り上がる」「喜びに躍る」のように、跳ねる、勢いよく持ち上がる動きを意識した表現になる。
もともと「おどり」は、今のような洗練された舞台芸術ではなく、「跳ね上がること」「飛び跳ねること」といった躍動的な運動を意味していたという。
「踊り」が現在のような舞踏の意味で使われるようになったのは、中世末期頃とされる。当時の踊りもまた、静かな所作ではなく、飛び跳ねるような活気ある動きだったと考えられている。
さらに歴史を見れば、踊りは宮廷や舞台から生まれたものではなく、民衆の中から育ってきた文化だった。室町時代に入る頃、念仏踊りや分霊踊りが広まり、そこから風流踊、踊念仏、盆踊りへと受け継がれていく。思えば、踊りとは言葉より古い表現なのかもしれない。
踊り子と波動のちかい花ばたけ 岩田多佳子

