中国で、理想的な政治が実現したときに現れると言われている伝説の聖獣、「麒麟」。麒麟は600年前、明の大遠征の際、永楽帝に実在のジラフ(=キリン)が麒麟と呼ばれて献上された。
伝説上の麒麟は、全体は鹿のようで、角が1本と、実際のキリンとはかなりちがう姿。首の長い珍獣は、はるかかなたからやってきた「麒麟」として、皇帝の世が善政であるという証明にされていたようだ。
キリンが日本にやってきたのは明治40年。それ以前に実物に近い姿の「麒麟図」として知られていた。実際に見ることができたのは上野動物園で、年間100万人もの人が来場したとか。ジラフとして紹介されたが、「麒麟図」でなじみがあったので、麒麟→キリンが和名に。
キリンは首だけでなく、舌も長い。身長は4.5m~5.8m。舌の長さは40㎝~50㎝。長い!舌が長いのは、高い木の葉っぱを食べるため。またキリンは、一度に20分程度しか眠らない。ライオンなどの外敵からいつ襲われるかわからないからで、それも立ちながら眠る。
さて、選挙戦たけなわの今。政治家の皆さんには熱い秋。私たちの麒麟は、果たしてやってくるのだろうか。
空が澄むキリンの舐めたところから 加藤ゆみ子