Vol.2 高級食パン

 いつも気になりつつも、前を通り過ぎていた「高級食パン」のお店。が、ある日、贈答用の紙袋に入って「高級食パン」がわが家へやってきた。お店では、高級ブランドのバッグのように、棚に1斤あるいは2斤ずつがスペースを空けて並べられている、あのパンである。

 高級食パンには美味しい食べ方があるようで、1日目、2日目は生で、3日目からはトーストがお勧めらしい。私はいきなりトースト。サクッ、しっとり、やだ、おいしい!ふつうの食パンの数倍の値段だが、数倍おいしいかはわからないけれど、確かにおいしい。

 高級食パンとは、甘みがあって耳までやわらかいパン。高級住宅街、高級ホテル、高級車…は手に届かないけれど、日常的に食べる、あるいは使うものに「高級〇〇」として、少しだけぜいたくな日常に。 ここ数日、少し厚めに切った「高級食パン」をトーストしていただく、ちょっと「高級な朝」である。

  旅に出るパン屋本屋を携えて  澤野優美子