Vol. 51 紙コップ

 紙コップが初めてつくられたのはアメリカ。1900年頃、長距離列車の中や駅で車内飲料として用いられていたのは、銅製のコップで共同で使われていた。

 当時、伝染病が流行していて、その原因が、駅や列車で共同で使われていたコップに菌がついていることがわかり、衛生的な容器が必要とされたことから、使い捨ての紙コップが使われるようになった。

 日本で紙コップがつくられるようになったのは、1930年。 飲料水用でなく、なんとアイスクリーム用としての紙カップ。飲料用の紙コップが使われたのは、1954年頃。その後、劇場や遊園地など、特に東京オリンピックや大阪万国博で広まり、自動販売機用の紙コップも登場。

 1970年代にコンビニが普及してから、紙コップは遮光・断熱・防湿・耐熱といった機能を持って、さまざまな食品が入れられる紙容器へと進化。 現在では電子レンジに対応したものもある。

 紙コップは1918年のスペイン風邪のときも、現在のコロナの状況下でも使い捨てできる衛生的な容器として活躍している。

  捨てられる時を知ってる紙コップ  浦  眞
                                 ※記事、一部修正しました。