言の葉の生まれる自転車のペダル
宮井いずみ
軽快にペダルを踏む。
風を呼ぶ。
その風が呼び水になって
ぽっと、ぽぽぽと、言の葉が生まれる。
みずみずしい詩語は
やわらかにつらなり
机上では思いつかないような一句になったり。
それはほんとに、やたっ、な気分で
読み手の私も一読、主人公と一体化。
短詩に携わってよかったなあと思うのは
ごくなんでもない日常に、
こんな瞬間を味わうことができること。
それまでの産みの苦しみやら悶々も
一気に吹き飛ばされてしまうほどの、至福の。
(「川柳びわこ」第709号 びわこ番傘川柳会 2022年7月)
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