Vol. 87 雪

 雪の語源はいくつかある。神聖であること、忌み清めることを意味する「斎(ゆ)」に、「潔白(きよき)」の「き」。雪は古くから信仰の対象とされており、大雪の年は豊年の兆しと考えられていた。そのため、「斎(ゆ)」に「潔白(きよき)」の「き」。もしくは、「斎潔(ゆきよし)」の説が有力とされている。

 雪の漢字には、雨かんむりの下にカタカナの「ヨ」。これは「彗」という字を簡略にしたもの。「彗」は、彗星という天体にも使われていて、「ほうき」という意味。つまり、昔の人にとって、雪は「ほうきで掃くことができる雨」だった。

 雪が積もってあたり一面が真っ白になった光景を、昔の人は「神様が世の中を掃除して、掃き清めてくれたようだ」と感じ、「彗」という字を当てたとも言われている。雪は、世の中の汚いものや醜いものをすべて白くして、清めてくれるものと。

 しんしんと降る雪や一面の雪景色は美しいけれど、雪かきや凍結を思うと少々やっかいな雪。今週、日本列島にこの冬一番で、10年に一度の寒気襲来との予想。大雪、暴風雪、凍結…。その地域にお住いの皆さんはくれぐれもお気をつけください。

  私を下りてゆく雪の日は静か  松永千秋