Vol. 92 春

 春は新しいスタートの季節でもある。ひな祭り、お花見、入学式、入社式等希望に溢れる行事も多い。

 春の字を解体すると、少しわかりにくいが、並び生えた草の象形、幼児が髪を束ねた象形、太陽の日光の象形から成り立っている。

 春の語源には、以下所説ある。
・はる(発る)=発芽、出発、発育など、新しい成長を意味する言葉
・はる(張る)=草木の芽が張る
・はる(晴る)=冬場に空を覆っていた鉛色の雲が取れて、空が「晴れる」
・はる(墾る)=田畑を墾る

 また、「春」の「は」の音は、晴れーはれ、原―はら、平―ひら、閃くーひらめく、開くーひらく、広いーひろい … 等、広がりを意味する音と共通している。

「春」という漢字は、古代中国でも「東風が吹き始め、草木が芽吹く季節」という意味で用いられている。何か新しいことを始めたくなる、春。

  教え子の子の名の中に春の文字  安野栄子