Vol. 215 天の川

天の川とは、地上から観察される銀河系の姿である。特に肉眼では銀河系に属する恒星のほとんどは遠すぎて星として見分けることができない。夜空を横切るように存在する雲状の光の帯として見える。

「天の川」の呼称は、夜空に帯状に光る星の集まりを、天空の川に見立てたもの。別名の「銀漢」や「天漢」、「雲漢」の「漢」は川の名を表す字で、元々は水のない銀河のこと。

東アジアの神話の中では夜空の光の帯を、川(河)と見ている。日本などでは、七夕伝説で、織女星と牽牛星を隔てている川が天の川である。年に一度、七月七日のみ、天の川を渡って会うことが叶う。

一方、ギリシャ神話では、これを乳と見ている。それが継承され、英語圏でもミルキーウェイ( Milky Way )と言うようになった。

現在、英語の「Milky Way」も日本語の「天の川」も、文脈によって天球上の光の帯を指すこともあれば、天体としての「天の川銀河」を指すこともある。

 飛び込むなら天の川だと決めている ひとり静