今日の一句 #591

塹壕か畑か深く深く掘る
佐藤みさ子


「What’s」Vol.4(編集発行人 広瀬ちえみ)が発行された。
毎号、会員作品20句&エッセイや

興味深い記事、鑑賞等で構成され、
本作は佐藤みさ子20句より引く。


冒頭、不意に立ち現れた「塹壕」の現実味。
それは遠い過去や他国のもののみにあらず、
まったくわが国もいつ何が起こるかわからない、
という危機感が
ガツンと十七音に凝縮されている。

深く深くのリフレインが、
振り下ろす一回一回の重みとなって胸に響く。


以下も会員作品より。


 梅咲いてハシビロコウに辿り着く   加藤久子
 コンペイトウの形を目指す兵器    竹井紫乙
 はきはきとミモザの路地のこどもかな 叶 裕
 這っていったとおりに傷痕はひかる  鈴木節子
 苺摘む乱数表はうらはらに      妹尾 凛
 山彦は一升瓶の中からも       水本石華
 約束を破ったからには家来とな    鈴木逸志
 大根半分嘘も大概に         中内火星
 こぼれたわよと美川憲一ふうに言う  浮 千草
 三月の青がまぶしく吊るされる    鈴木せつ子
 春光や有楽町の靴の音        川村研治
 非常口で拾うキャラメルのおまけ   月波与生
 産むことは青ざめること朝桜     原 ゆき
 老人のように扱われる小銭      高橋かづき
 伝言がちがってソースかけちゃって  広瀬ちえみ

そして巻頭を飾るのは、今回の招待作家、浪越靖政さん。

 卍固め外れてからの一周忌      浪越靖政

(「What’s」Vol.4 2023年4月)

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