「天」の字は、人が両手足を広げ、正面を向いて立っている形に、大きな頭をつけたもの。もとは人の頭を意味する字である。
人の一番高いところにある頭をさす天という字から、頭よりさらに上にある空を天というようになり、「あめ、そら」の意味に使う。天は神のいるところと考えられ、天は神聖なところであるという考えは古くからあった。
ちなみに、天の草書体から「て」、天の三画目までを取って「テ」が誕生した。
ところで、「天」という字の横棒について。昔は下の横棒が長かったが、時代が進み上の方を長く書くようになった。現在は、どちらを長く書いても間違いではない。どちらかに統一したいのなら、学習指導要領に合わせて上が長い「天」がおすすめ。
明朝体やゴシック体といった印刷文字のようなフォントの場合は、上が長いのがほとんど。楷書体や行書体といった手書き文字を元にしたフォントは、下が長いのが多くなっている。
サルビア登る 天の階段から こぼれ 細田洋二