Vol. 118 コンパス 

 コンパスには、円を書くときに使う文房具のコンパスと、方向を調べるときに使うコンパス(方位磁石)がある。ラテン語の、「一緒の(com-)歩幅(passus)、半径をみんな一緒の長さにする、円を描く」、がコアの語源。そこから、「歩測する、円の方位に分割する」という意味に転じたらしい。

 文房具のコンパスの起源は、定規とともに古代ギリシャといわれている。定規は平面上の2点間を最短距離で結び、コンパスは1点から等距離にある点の列を描く作図道具。一方、方位磁石の起源は、中国三国時代頃の指南車(いつも南を指す)で、”指導する”(方向性を示す)という意味の”指南する”の語源にもなっている。

 文房具のコンパスは、小学3年生くらいに学ぶが、使いこなせなかった私。円を描こうとして、針が外れてしまったり、円を描く線が途切れ途切れになったり…不器用なこと。針や鉛筆の部分がバタバタしている感じ。回転させると同時に鉛筆も下に押しつける、という同時に二つの動きをすることが必要だが、それがなかなか難しい。

  コンパスの巾、平面を生まんとす  藤井小鼓