関西は例年より数週間も早い梅雨入りとなった。年々暑くなってゆく夏。もはや亜熱帯気候である。
6月、7月の雨の時期に「梅雨」と言われるのは、いくつか説があるが、中国の揚子江付近で6月頃にやってくる雨の季節「黴雨」からきているというもので、「ばいう」と読む。
日本に伝わってきて、同じ「ばい」と読む「梅」の字を充てて「梅雨」とした説が有力である。梅の実が熟す時期と重ねたとも。それにしても、昔も梅雨時に豪雨はあったはずで、恐ろしい雨をイメージする字ではなく、優しく梅の雨という字を充てたのは、自然との共生と、雨はあくまでも恵みをもたらすものという雨への畏敬と祈りがこめられているのかもしれない。
現在使われる集中豪雨やゲリラ豪雨、線状降水帯…昔の人なら、何と呼んだだろうか。やはり、優しい雨の名前をつけただろうか。
もう一つ、梅雨の字の由来がある。それは、毎日毎日雨が降るので、木に「毎」の梅の字を当てたという説。この説、けっこう気に入っている。
雨音も青い梅酒に閉じ込める 峯島 妙