Vol. 135 琥珀

 琥珀は、数千万年前の松柏科(松、杉、檜等)の植物が分泌した樹液が、地面に落ち、地中で固まり硬化した天然石。樹木の樹皮が傷つけられ、樹脂が出ると、その匂いに虫や小動物達が誘われ、流れ出る樹脂の中に閉じこめられていく。

 また、太古の葉や花びら、木の破片や雨や霧の水滴までも閉じ込めていく。虫を内包したものは「虫入り琥珀」と呼ばれ、人気がある。琥珀は樹脂の化石とはいえ、鉱物ではないので、硬度は弱く、叩くと簡単に砕け、火の中では香りを放ちながら、300度位で燃えてしまう。

 遠い昔、中国では、虎が死後に石になったものだと信じられ、「虎魄」と書いたが、これが日本名の「琥珀」の由来であるといわれている。

 琥珀の産地として有名なのは、バルト海沿岸。「海の夕日の精が固まってできたもの」とか、「人魚の涙」などとバルト海沿岸では伝えられ、大切にされてきた。

  傾いたままで琥珀の家にいる  岩田多佳子


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