Vol. 136 ピアノ

     あけましておめでとうございます。
     今年もよろしくお願いいたします。

 ピアノができたのは17世紀に入ってからで、チェンバロが主流の時代だった。1709年に、イタリアのチェンバロの製作者が、チェンバロを基にしてつくったのが「クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ(Clavicembalo colpiano e forte)」で、ピアノの語源とされている。

 「ピアノとフォルテが出せるチェンバロ(弱い音と強い音を出せるチェンバロ)」という意味で、次第に略されて「ピアノフォルテ」や「フォルテピアノ」と呼ばれるようになり、さらに略されて「ピアノ」と呼ばれるようになった。

 チェンバロは弦を弾いて音を出すので強弱が全くつけられなかったが、この楽器はハンマーで弦を叩いて音を出すので、若干の強弱がつけられたとされる。この楽器が徐々に改良され、現在のピアノまで進化した。

 1823年、日本に蘭学を広めたオランダ商館の医師、フィリップ・フランツ・フォン・シーボルトによって、日本に初めてピアノが持ち込まれたといわれている。日本の学術も研究目的だったシーボルト。日本にピアノを紹介すると共に、日本の音楽を楽譜に書き留めるためにピアノが必要だった。

  いちがつのピアノの音は雪の音  渡辺和尾