Vol. 137 青

 「青(アオ)」という言葉の由来には諸説ある。
・「藍染(アイゾメ)」の「藍」からきている。
・空を仰ぐという行為から「仰ぐ(アオグ)」が青に変化した。
・赤色や黒色に比べると、色が「淡い(アワイ)」ということからきている。等々。

 古くは、白に対立する色として青があり、平安時代頃には更にその指す範囲が広くなり、現在「青」と呼ばれるもののほか、緑系や紫系の色だけにとどまらず、黒と白の間の色相も含んでいたとされる。

 さらに、「白馬」を「青馬」と呼ぶように「白」も意味していた。ただし、正確には純白でない色の意味として用いられ、「灰色」と似た感覚であったと考えられる。

 緑色も「青」と表現される習慣は万葉集以前からあったとされているが、青と緑の区別ができたのは、平安時代末期から鎌倉時代(西暦1100年頃)とされ、古語の「青(あを)」から現代の「緑」と「青」に分化した。

  入ったらもう出られない怖い青  佐藤みさ子