負けん気を育む雨の日の散歩 新家完司
雨ニモマケズ、本日も五千歩、一万歩。
と歩いているのは
健康のため、だけではないのだ。
年々まるくなっていく自分の中に
まだちゃんと宿っているはずの
負けん気を揺り起こし、育もうとまでしている。
とはいえ、あくまで「散歩」、
というあたりが、のどかで可笑しい。
掲句、今春第7回「日本現代詩歌文学館館長賞」を受賞した
新家完司川柳集『令和元年』より引く。
ともだちが育てた豆で豆ごはん
海の底までにんげんの手が伸びる
逆さまになっても酒ぐらい飲める
本賞は
「平成9年度より4年に一度
川柳文芸の一層の発展を目的として開催している
「現代川柳の集い」を記念して、
「集い」開催年の前年までに刊行された川柳句集の中で、
最も優れた作品集を選んで顕彰するものです。
(日本現代詩歌文学館)」
その第7回「現代川柳の集い」が
今年の9月19日(日)に日本現代詩歌文学館で開催されます。
新家完司さんの受賞記念講演と川柳大会。
宿題(事前投句)と当日題あり。
くわしくは こちら まで。
※「芳賀博子の川柳模様」で連載している「はがろぐ」を
こちらでもご覧いただけるようになりました。
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