今日の一句 #686

あらかたは社長が笑ふ社長室
川上三太郎


ご存じ川柳六大家の一人、川上三太郎の一句を
田辺聖子さんは著書『田辺聖子の人生あまから川柳』のなかで
こう評す。
「これはどこでもあること。
 三太郎さんはこういうふうな空気の風刺みたいなのがお上手。 

 これはうちの会社そっくりやと言う人がいるかもしれない。」
他にも、

 ちりぢりに友は大人となりにけり  浅井五葉
 ライターをつけては消したような恋 岸本水府
 鮎にあき郊外にあき雨にあき    食満南北


などなど、田辺聖子さん選りすぐりの
「現代語川柳珠玉の百句」が収録されている本書は

集英社新書より2008年に発行され、
帯文には、
「佳きかな、川柳。
 覚えておいて人生の中で
 ハンカチみたいになんぼでも使ってほしい」
と、自らの川柳愛あふれるコメントが記されている。


さても当時からすると、時代も社会も劇的に変容し、
川柳の表現も「おもしろ」も

ますます多様化しているのを実感しつつ、
しかし改めて、川柳ならではのリズミカルな口誦性や
一読胸深くに刻まれるアフォリズムのような魅力は
大切にしたいなと思える作品の数々。

そしてとにかく、田辺さんの名鑑賞は
いつ味わっても、笑って、しみじみして、
ぽかぽかする。

☆さて、そんな田辺聖子さんを追悼するイベントが
来たる3月、兵庫県は伊丹市で開催されます


「田辺聖子さん追悼 
 ことばの花火大会 ー川柳・俳句・短歌の交響を楽しむー」


日時  2025年3月29日(土)10時30分~12時30分(開場10時)
場所  伊丹市立図書館ことば蔵 地下1階 多目的室1
参加費 無料


“川柳がお好きだった田辺聖子先生を偲び、
生誕月である3月に、ジャンルを越えて詩歌を詠む会を開催します。
柿衛文庫の坪内稔典さんを中心に、
川柳・俳句・短歌のそれぞれが持つリズムやことばの交響を楽しみましょう。”


当日はご来場の皆さんにも、作品をお詠みいただき
内橋加奈子さん(俳句)、

尾崎まゆみさん(短歌)、
芳賀博子(川柳)が
選者を務めます。
詳細、お申し込みはこちらから。
ふるってご参加ください。
ことばの大花火を一緒に打ち上げましょう。

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