今日の一句 #714

生きていくための転勤だとしても
伊藤良彦


突然の辞令。
え、今ですか? 
なんで私?
と天を仰いでいる暇はないのである。
そこからのあたふた、ドタバタたるや・・。
「生きていくための」はまこと実感だろうが、
そのものものしさが

ユーモアとペーソスを醸し出している。

ところで本作からはまだ湯気がたっているかも?
はい、こちら「ゆに」で9月1日に公開ほやほやの
今月の会員作品」からの作品です。


伊藤良彦氏の新作三句は
一句それぞれが屹立しつつ、
三句のハーモニーも絶妙。


 八月の引っ越しというダイエット
 生きていくための転勤だとしても
 命って洗濯できるものですね


さても、八月の汗でデトックスされた命は

こざっぱりとして、
まだ暑い九月の風も、

心なしか涼やかに感じられているだろうか。

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