Vol. 227 茜

「茜」は、世界で最も古い染料のひとつとされ、日の丸の赤を最初に染めるのに用いられたのもこの茜である。

その染料は山野に自生するつる草・アカネの根から得られる。根が赤いことから「アカネ」と名づけられ、また薬草としても古くから利用されてきた。

さらに文学的にも、茜は古代から人々の心に深く根差している。万葉時代には「茜さす」という表現が枕詞として用いられ、とくに東を意味する言葉として、また茜色は夕焼けの色など、古くから親しまれたことば。『万葉集』では「紫」「日」「照」「昼」などに掛かる枕詞として11首に詠まれている。

なかでも広く知られるのが、額田王の歌「あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る」。

  着払いラベルみたいな茜空 まつりぺきん
      

◆お知らせ
オンライン講演会「第10回ゆにゼミ」
日時 10月18日(土)10:00-11:30
講演 「平和のことば」
講師 田中朋清(石清水八幡宮 権宮司、日本国際連合協会理事)
どなたでも参加いただけます。
お申し込みは10月12日(日)まで。こちらから→。