つじつまが合って袋に入れている
今井和子
袋に入れている。
とは、断捨離かしらん。
積年のもやもやも晴れて、
やっとすっきり、ゴミ袋の中へ。
とまあ、捨てるとまではいかなくとも
気がかりにひとまず片が付いて
次へ進もうとしているのか。
「つじつまが合う」という含みのある表現と
袋の取り合わせが面白い。
ここまでに結構いろいろあったんでしょうなあ。
と、主人公の手元を見つめていたら、あら?
それ、袋におさまりきらないかも。
しかもいちいち引っかかっているような。
本当につじつまが合ったのか、合わせたのか。
いっそうその中身が気になり始めた。
(句集『象と出会って』今井和子
/あざみエージェント 2014)
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