Vol. 202 木洩れ日

「木洩れ日」は、日本人なら誰でも知っている、木立など木の葉の間から差し込む陽射しのこと。「木漏れ日」とも。

けれど、「木洩れ日」に対応する英語の単語は存在しないため、英語で「木洩れ日」では、たとえば
sunlight filters through the trees – the interplay between the light and the leaves.
と長い説明になる。

美しい自然現象には、日本語特有に表現された言葉があり、「木洩れ日」もその一つ。

「木洩れ日」は、「翻訳できない異文化の言葉」の一つになっていて、たとえば、他に

・ドイツ語: Waldeinsamkeit(ヴァルトアインザムカイト)
  森の中でひとりぼっちでいる気分
・イタリア語: Culaccino(クラッチーノ)
  テーブルについた冷たいグラスの跡
・ロシア語: Pochemuchka(パチェムーチュカ)  
  何に対しても質問ばかりする人
等々がある。

 木洩れ日の端へと疎開する卯月  中野六助