一点を見つめて食べる袋菓子
松岡瑞枝
袋を抱えてひたすら、ぼりぼり。
一点を見つめながら
なにも見ていないような凝視が強烈。
そして、そんな自分をじっと見つめ続けている、
もう一人の自分こそが、本作の主体だろう。
袋菓子がみるみるからっぽになっても
満たされない空虚。
その正体は淋しさか憎しみか、はたまた得体のしれない感情か。
けれど、いずれであっても
具象が「袋菓子」ゆえか、どこかドライで軽く、
それもまた句の印象を強めている。
約束は白い色鉛筆に似て
人ならば胸のあたりで折れた棒
船はまだ見えぬちくわの遠めがね
お別れに光の缶詰を開ける
2001年の刊行以来、さまざまに注目を集め続ける句集『光の缶詰』。
あざみエージェントで再入荷されています。
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(句集『光の缶詰』 松岡瑞枝/編集工房・円 2001年)
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