Vol. 266 二進も三進も

「二進も三進も」は「にっちもさっちも」と読みます。

「二進も三進も行かない」とは、どんなに努力しても状況が改善しない、またはどう行動していいのかわからない状態を表し、前にも後ろにも進めないような状況。

「二進も三進も」は、江戸時代の算盤用語からきている。算盤は、江戸時代、商売人にとって必須のアイテムで、二進とは「2で割ること」、三進とは「3で割ること」を意味して、朝から晩まで算盤を弾いて計算している中で、「二進も三進も」という表現が生まれた。

文字通り「2で割ることも3で割ることもできない」という意味。つまり、どうやっても割り切れない、計算が進まない状況を指し、商売人にとって、大問題。商売が前に進まないという切実な状況を表現する言葉として使われ始めた。

「二進(にしん)」「三進(さんしん)」と読むところを、なぜ「にっち」「さっち」という言い方になったのか。江戸時代、特に江戸の町では、言葉を短く、リズミカルに言い換える文化が根づいていて、「江戸言葉」や「べらんめえ調」と呼ぶこともあり、長い言葉を短くして、テンポよく喋るのが粋だとされていた。

 茶碗あっても二進も三進も  まつりぺきん