食卓によく並ぶ野菜の1つが、かぼちゃ。ハロウィンの近づくこの時期は、観賞用だが、目鼻口をくり抜かれ、顔のあるカボチャに変身して、主役に。
原産は中米・南米辺り。16世紀にポルトガル船から日本に持ち込まれ、19世紀になると、西洋かぼちゃがアメリカから入る。育てやすさから日本でも普及して、 現在では、ホクホクと甘い西洋かぼちゃ(栗南瓜)がメジャーである。
かぼちゃの名前の語源は、最初にポルトガル人が、献上したかぼちゃを「シャムの東の国のカンボチャ産である」と説明したことから「かぼちゃ」に。10月31日のハロウィンは、収穫祭であると同時に、この世とあの世をつなぐ門が開き、あの世にいる悪魔が、この世にやってくる日、と恐れられていた。
古代ケルト人はかがり火をたいて悪魔を追い払っていたが、その後、カブをくり抜いて、ランタンとして使うことで、悪魔払いをする風習につながった。ケルト人がアメリカに移住した際、当時アメリカではカブがほとんど生産されていなかったため、代用として、かぼちゃが選ばれたようだ。
日本では1998年、東京ディズニーランドでのハロウィンのイベントがきっかけでブレイク。お菓子メーカーも参入して、現在はSNSでも発信。ハロウィンが終われば、あのかぼちゃは悪霊を連れ去って、いつものかぼちゃが店先に並ぶ。
サムライかカボチャか叩いたらわかる 新家完司