引っ越しの度に悩ましいのが、カーテン。窓のサイズが引っ越し先それぞれ違うので、毎回新しいカーテンを買い直している。各部屋、レースのカーテンをセットにすると、けっこうな金額に。
カーテンの起源は古代エジプト文明だと言われている。窓辺に動物の皮製品などを吊るしていたのが、カーテンの原型。当時は皮が主流。やがて布で、寝台や寝所に天幕のようなかたちで使われるようになる。
17世紀頃になり、窓ガラスが普及して、華やかな貴族文化になると、窓ガラスを華やかなカーテンで装飾するようになる。カーテンの語源は、ラテン語で覆うことを意味する「cortina(コルティナ)」だと言われている。
日本でのカーテンの歴史は、江戸時代の初めから。日本には古くからすだれやふすま、障子といったように、カーテンの役割を果たすものが存在していて、あまり流行らなかった。『窓掛け』からカーテンと言われるようになったのは、明治時代の終わりころで、カーテンは高級品だった。
昭和30年代になってから、団地やアパート、洋式の住まいが増えたことで、一般家庭でも使われるようになる。防音性、遮光性等、機能性を高めたカーテンも登場する。
今、窓のカーテンは、六月の風をやさしく届けてくれている。
朝のカーテンが揺れている小さな声で 湊 圭伍