Vol. 68 万華鏡

 夏休みの自由研究で万華鏡をつくるのが人気とか。万華鏡を覗けば、夏の思い出のかけらがクルクル、キラキラ…。

 万華鏡は 1816 年にスコットランドで、物理学者によって発明される。灯台の光をより遠くまで届かせるために鏡の組み合わせを工夫している最中に、たまたま見つけたらしい。当初は、高級な光学製品として扱われていたが、紙製筒型の登場で、子供の玩具として世界中に普及する。

 発明後、わずか3年で、日本にも伝わる(文政2年)。当時は、 大名や豪商たちの貴重な玩具として 扱われていた。明治時代には「百色眼鏡」等とよばれていたが、その後中国語の「万華筒」と「鏡」から、「万華鏡」という呼称が一般的になり、人気を集めた。

 1980年代になると、万華鏡の大展覧会がアメリカで開催される等、玩具からアートへと発展。万華鏡作家たちが、新しい素材と技術をとりいれ、創造的で個性的な万華鏡の世界を広げてゆくようになる。

 万華鏡をクルクル回せば、一瞬一瞬が一期一会の神秘的な出会い。安らぎを感じるシンメトリーで構成されている万華鏡の世界は、癒しの効果や脳の活性化にもつながるとか。医療現場の治療としても使われている。

  万華鏡覗かせておくその間  深川 さゑ