お彼岸を過ぎた頃から、朝晩しのぎやすくなり、いつの間にか秋の空。寝具もそろそろ秋用に。夏だけでなく秋も肌掛けとして気持ちがいいのが、ガーゼを何枚も重ねたタオルケットのようなもの。ガーゼケットというらしい。軽くて、ふんわりとした肌触りはまるで雲のよう。
ガーゼは細い木綿糸を漂白して目の粗い平織りにした柔かい布。薄手でやわらかく、吸湿性にも優れているため、医療用のほか、赤ちゃんの肌着、ハンカチ、タオル等はもちろん、カーテンにも利用されている。麻やシルクを使ったもの、二重、三重~八重に織り上げ、吸水性と保温性を高めたものなど、さまざまなバリエーションが生み出されている。
ガーゼとは目の粗い織物を指すドイツ語で、語源は諸説あるが、中東のガザ(GAZA)地区特産の透けるような薄い織物であったことから来ている。
日本へは、明治時代にドイツから医療用具として、カルテ、ギブスなどの医療用語と共に入ってきた。今では進化系として、ほど良いボリューム感を持ちながら、さらに軽くやわらかいエアーガーゼが生まれている。
三日月はガーゼを掛けてから握る 本多洋子