蟻は、夏の暑い最中でも、自分の体重の何倍もの重さのものを列をなして、黙々と運ぶ。漢字の「蟻」は、「虫」に「義(行儀正しい)」からなるが、蟻が地中に巣を作り、規律正しい共同生活を営むことに由来する。
「アリ」の語源の説には諸説あり、
①「ア」が「小」の古語、「リ」が助詞で、小虫とする説。
②多く集まる虫なので、「アツマリ(集まり)」の中略説。
➂穴に出入りすることから、「アナイリ(穴入)」の意味。
④よく歩くことから、「アリク(歩く)」の意味。ほかにもいろいろな説。
これらのうち、「アリク(歩く)」と「アリ(有)」の説が有力で、この二説から派生した「アシアリ(脚有)」の意味とする説もあるが、詳細は不明。
また、働き蟻のコロニー(集団)の中には、2~3割の働かない蟻が存在する。働く蟻だけのグループを作っても、必ず2~3割の働かない蟻が現れ、働く蟻の割合は常に7~8割になるそう。コロニーには一時も休めない仕事があるため、疲れて休む蟻が出てきたら、働かない蟻が交代して働く。その仕事とは、唾液で卵を舐め続けること。舐め続けていないと、30分程度で卵が死んでしまう。
孤独死の蟻の名前を知っています 滋野さち