「ミシン」は、英語の sewing machine(縫う機械)から、machine の部分が「ミシン」と聞こえ、それが名称となった。
日本では、1854年、ペリーが二度目に来航のときに将軍家定に献上し、国内で初めてミシンを使ったのは篤姫(あつひめ)と言われている。4年後の1860年には、ジョン万次郎がアメリカから持ち帰っている。
ミシンは18世紀の中頃から、イギリスで種々のミシンが考案され、1851年、実用化(シンガー社)された。
日本では、1877年(明治10年)に西南戦争のため軍服を量産する必要があることから一般に広まった。
大正時代、外国製品は故障が多く、品質が安定していなかったため、安井兄弟(ブラザー工業創始者)が、性能の良い国産ミシンを製造し、全く壊れないと大評判となり注文が殺到。瞬く間に広がることになる。
戦時中、ミシンは軍用ミシンのみが製作されることになるが、終戦後、ミシンの需要は飛躍的に増大。国内だけでなく、ミシンは重要な日本の輸出品となり、工業用のほか、家庭用が多く作られた。
ミシンからずり落ちてゆく昼の姉 倉本朝世