中国から日本へ伝えられた猫に関する漢字は、「狸(リ)」が最初。中国では野生版のノネコなど、猫に似ている動物全般を「狸」と言っていた。「猫」は人間の側にいる飼い猫やノラネコを表し「ビョウ」「ミョウ」と呼ばれていた。
猫=ネコの語源は諸説あり、
・猫は一日16時間前後眠るため、「寝る子」という意味で「寝子=ネコ」と呼ばれたという説が一番有力。
・ネズミを好むので「ネコ」という説。
・ネウネウという鳴き声に親しみを表す接尾語「子(コ)」をつけて「ネウコ」と呼び、訛って「ネコ」に。紫式部の源氏物語にも「ネウネウ」と猫が鳴いている表現がある。
・918年に編纂された日本現存最古の薬物事典である『本草和名』には、鼠を捕る小さな獣で虎に似た狸のような姿である「ねこま=祢古麻」の記述があり、そこから「ねこ」に。
「猫」の漢字の由来は、次のとおり。
・ネコの体が「苗」のように細くてしなやかな獣。
・ネコが「ミャオ=ナエ(苗)」と鳴く獣。
・ネコは鼠から「苗」を守る獣。
ほんとうは私も出せる猫の声 園田恵美子