Vol. 223 秋

「秋」という字は、もともとは古代中国で季節の変わり目を示す言葉として生まれた。そのうち農作物が実る時期を指す言葉として用いられる。

日本でも、稲作を中心とした農耕文化が発展するにつれ、「秋」は豊かな収穫を象徴する季節とされるようになった。

収穫の季節である「秋―あき」は、十分に満足な量が満ち足りていることから「充足する」の意味で「あき(飽き)」と名づけられたといわれている。

「飽きる」には、「満ち足りている」という良い意味があり、そこから「十分すぎてもういらない」「もう必要ない」という現代のマイナスの意味に。

ほかに、草木が赤くなり、稲が「あからむ(熟)」ことから、また、空の色が「清明(あきらか)」な時期であることから「秋―あき」に。あるいは、草木の葉のアキマ(空間)が多いことから、「秋」。
と、諸説ある。

 わたしたち海と秋とが欠けている  瀧村小奈生