金輪際は、仏教用語に由来する。仏教の中の宇宙論では、世界は大地を支える「三つの輪」の上に成り立っていると考えられている。
「金輪」は、黄金でできており、三つの輪の中で、最も上層にあるとされていて、その上に海や私たちが住む大陸があるというのが、仏教の宇宙論の考え方。金輪の下に水輪、風輪と続き、さらに虚空があるとされる。金輪際は、金輪と水輪の接する部分で、金輪の最も奥底にある場所を意味した。
この境目は地上の島に住むわれわれ人間からすれば、はるかな底であることから、ギリギリの線でもある「物事の極限」を意味するようになった。
その後時代とともに変化して、現在では、強い打ち消しの言葉として“決して”、“断じて”といった意味で『金輪際』が使われるようになった。ちなみに、金輪際を英語訳にする際用いられる単語は、「never」 である。
冬の夜金輪際を持ち歩く 落合魯忠