今日の一句 #707

講習を受けるシュワっとなるための
藤田めぐみ


この講習、受けてみたい。
夏期特別短期集中コースとか、合宿コースとか、
いろいろ選べたらなお嬉しい。
講習後はもやもやを晴らす術(すべ)を会得して
どんなストレスもシュワっと解消できそう。


ただ、ちょっと気になるのは
シュワっとする、ではなく「シュワっとなる」。
自らがシュワっとなってしまうような
なにか刹那的なものを感じて。

そしてふと、人魚姫のラストがよぎったりして。

人魚姫は、結ばれぬ王子を思い、
その思いを振り切るように
自ら泡(あぶく)になる選択をする。
もしや、この講習も失恋がらみ?


なんて、おっと、またまた妄想が暴走しました。
あくまでのど越し爽やかな
レモンソーダのごとき一句として
明るくシュワっと味わいます。


さて本作の出典は
『青森縣川柳年鑑 ねぶた 2025年(第6集)』。
今年度も、参加191名(小学5年生から100歳まで)の

それぞれの厳選10句が収録された、
読み応えたっぷりの川柳年鑑です。

 嫉妬する熱を集めるトースター   伊藤良彦
 電子音だらけで終わる日曜日    菊池 京
 吸い込まれそうな青空だな 無罪  きさらぎ彼句吾
 野茨よいずれ陣地は明け渡す    熊谷冬鼓
 人体におほほと入れる桜もち    野沢省悟
 ドロップ缶昭和は空っぽになった  濱山哲也
 若干の喪失感と凪の海       守田啓子


(『『青森縣川柳年鑑 ねぶた 2025年(第6集)』
 青森県川柳連盟 2025年6月)


☆お知らせです♪
先ごろ筆者の芳賀博子が、こんなラジオ番組に出演しました。
ネットのアーカイブ放送で、PCやスマホからも、
お好きな時間にお聴きいただくことができます。
たとえばこちらから。

ひょうごラジオカレッジ | 川柳の時代性と普遍性 -時実新子の作品を読む-【2025年7月12日放送分】 | ラジオ関西Podcast
お手すきの折にでもお聴きいただけましたら幸いです。

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