Vol. 147 指紋

 指紋は指に凹凸があることで、摩擦を起こして物を掴みやすくする滑り止めの役割をしている。また、指先には感覚点と神経が多く集中しているため、指の触感を敏感にする役割も果たしている。

 指紋は受精後3ヶ月の胎児のころに形成され、その形は死ぬまで変わらないといわれている。指紋は皮膚のずっと下の真皮層にできているので、いくら削り取っても、また浮かび上がってくる。

 指紋が物に付着するのは,指先から継続的に液体が分泌されているから。この液体はわずかな脂肪分を含む水と考えられていて、体が動くと、より多く液体が出て、指紋がつきやすくなる。事件現場で犯人の指紋が残りやすいのは、このため。

 現在では、指紋認証技術がスマホやATMなどのセキュリティ設定に用いられているが、膨大な指紋データベースの中には偶然一致する異なる人物の指紋も存在し、指紋は完璧な特定手段とはいえないようである。

  指紋こぼして一対の花びらになる  澤野優美子