Vol. 172 星 

古代人は、夜空にきらきら光る星を見て、数多くの粒々の光が木にぶら下がっていると見ていたようだ。

星はときに多く、ときに少なく、明るかったり暗かったり、また、空を横切る流星もあり、植物のように、成長・繁殖ができるものと見えたのだろう。

「星」の漢字の上部の「日」は、もとは「晶」という漢字が使われていた。「晶」は、「澄みきった星の光」を表す象形文字で、3つの「日」の「3」は「たくさん」を表し、のちに「晶」は「日」に省略される。

一方、下の「生」は、「草・木が地上にはえた」ことを表す象形文字。地上に「はえる」ことで「生きる」ことに。

球体の星を多角形の形であらわすようになったのは、ヒトの目で光を見ると放射状に見えてしまうから。

また、なぜ「★」の形になったのかは、古代のエジプトにおいて、空を表すために天井に刻んだヒトデの形がはじまりとされている。海に面したエジプトでは、身近な存在だったヒトデを象形文字の一つとして使っていたが、海の底にいるヒトデが、いつの間にか夜空に輝く星の意味を持つようになったようである。

 星々の代表人が囲む卓 広瀬ちえみ