「壁」の読み方の「かべ」の「か」は、「ありか」や「すみか」などの「か」と同じで「所」という意味。「べ」は隔てるものという意味の「へ」。「かべ」は「ある場所をへだてるもの」という意味。
日本の昔ながらの家は、柱や梁で建物を支える工法で建てられている。なので、理論的にはなくてもかまわない「壁」は「仕切り」程度のものだった。
一方、英語の wall は「城壁、防御壁」などが語源で、古代中国由来の漢字の「壁 (へき) 」も「防御する建造物」を表し、敵の侵入を防ぐために頑丈に造られている遮蔽物と認識されていて、日本の昔ながらの「かべ」とは対照的である。
壁は、古代からの防御機能に加え、美術的・文化的要素を取り入れたものへと発展してゆく。さらに、現代の壁は、防火、断熱、耐震等の機能も備えるようになる。
ちなみに、「完璧」の「璧」は、“ 傷のない宝玉 ”という意味を持つ「璧」の字を用いる。下の部分が「玉」。「璧」の漢字は「完璧」以外で使用することはない。
完璧と絶壁 角度九十度 浮 千草