Vol. 217 塔

日本語の「塔」は、もともと仏教の構造物である仏塔を意味していたが、現代では様々な比較的高い構造物(塔状構造物)に対しても使用されており、建築基準法によって厳密な定義はされていない。

「塔」は古代インドの言葉「ストゥーパ」にさかのぼる。これは仏教の聖遺物を納めるための建造物を指し、その形状は土や石を積み上げた半球形であった。

「ストゥーパ」は、仏教では今日でいうところの「卒塔婆」の意味で採り入れられた。やがて「卒」が脱落して「塔婆」→「塔」に変化したのではと考えられている。

  この道をゆく中天に塔があり 坂根寛哉